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科挙についての助言を仰ごうとして、ヨンは茶山(タサン/アン・ネサン)を訪れていた。
噂を聞かれたでしょう、と言うヨンに茶山(タサン)面白そうに言い始めた。
「邸下が科挙を中止にしたから、儒生達で開く斎会(チェフェ=会議)では終始邸下を呪っていたとか…」
それを聞き複雑な表情を浮かべるヨン尋ねた。
「お爺さんがかって言っていました。戦いに勝つために自分の連れ合いと喧嘩をするのは、家族の死への近道。間違った科挙を正すのは勿論合っていますが、今の状況はどうです?この戦いの目的は勝利かそれとも変化?」
それは…と言いかけて何か閃いたような顔をするヨン。負けることはとても難しいでしょう?と皮肉を言ってヨンを覗き込む茶山(タサン)。
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部屋の隅で、小さく固まってるヨンウン翁主に話かけるラオン。
「私も沢山隠している事があるのです。だからどう感じているかは少しわかるのです。だって私もまだ罠にかかったままだから。誰かが扉を開けて私をみつけるかもと怯えているのです。いつ私達は自分たちの手で扉を開けて歩き出せるのでしょう?」
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領議政を呼び出して、科挙を例年通り行うから朝廷に出てくるようにと告げるヨン。
「賢い決断をなさり、原理原則通り科挙をなされば私達も戻りお仕えいたします」と答えるキム・ホンに、要求通りに科挙をとり行うと確約するヨン。
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段上で試題が示され科挙の最終試験が始まろうとしていた。だがその時、突然現れたヨンは《反対に反対、どうやって相手を納得させるか。》
と新しい試題を示した。
たちまちざわめき始めた志願者を前に、「自論で得心させなさい」とヨンは宣言した。
そして「朝鮮の未来の為に斬新で異なった考えを楽しみにして待っている」と続けた。
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ラオンは腕輪を返そうとして書庫にきていた。そこへふいにやって来るヨン。
「そなた、私がいる場所と時間を上手に避けているようだな。誰よりも私を知っている。そなたが隠れたら私に勝ち目はないようだ。」
「たくさんの目と耳があなた様を見ています。邸下。もし邸下が私と一緒にいたら一瞬も気の休まる時はありません。」
「では、私の気が休まると?そなたなしで?」
その言葉に思わず俯き涙ぐむが、目をふせたままラオンは話を始めた。
「邸下、内侍としてお仕えしていた時私は役に立つ人間だと思えました。ですが今はそうは思えず、私のせいで邸下に迷惑がかかるとか傷つくのではと怖いのです。ですから邸下の方へ一歩も近づけません。」
そう言うと腕輪を机の上に置くラオン。
「恥しらずなお願いなのですが、王宮を去るお許しを頂ければありがたいです、申し訳ありません、邸下」
「それが本当にそなたの望みか?」
「はい、邸下。」
「私はそなたの為に数千ものことができる、したいというのに、そなたが望むのそれだけなのか?私なしで生きる為に逃げ出すと?そなたが頼んだ唯一のことが、それなのか?」
「そうです。邸下」
「わかった。では、もう退りなさい。」
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ヨンウン翁主は三年前の夜、かくれんぼをしていたあの部屋(Jipbokheon)へ行き、その時隠れていた戸棚を開けた。
すると忘れていた筈の恐ろしい絵巻、あの時の記憶が蘇えった。
王后付きの尚宮が部屋の中に逃げてくる。追って来たのは部下をつれたキム・ホン。
私を殺して真実を隠せると思うなら、そうすればよい、と叫ぶ尚宮を刺すキム・ホンの部下。
死んだとしてもここに残り非業の死を遂げた中殿ママ(ヨンの実母)の真実を明らかにしてみせる、と言い残し言切れる尚宮。
その一部始終を、ヨンウン翁主は扉の隙間から目撃していた。
その後戸棚に気付きキム・ホンが近づいた時、たまたま探しに来た子供達の声により救われていた。
そうしてヨンウン翁主は、長い間心の奥深くでトラウマとなっていた真実を全て思い出した。
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ラオンは具合が悪くなったヨンウン翁主に話しかけ、何があったのか知ろうとしていた。
「どうしてあそこに行かれたのでしょうか?突然いなくなったと聞いたので、でも答えたくなかったら言わなくてもいいのです。」
筆を取り出して返事を書くヨンウン翁主。
「いつ私達は自分の心の扉を開けるのだろう、とホン内官が言ったから…。」
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ヨンウン翁主の具合が悪いと聞き様子を見に来ていたヨンは、そんな二人の様子を見守った後、ラオンを外へと連れ出した。

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「後悔しているんだ。知らないふりをすべきだったと思っている。いつも逃げる道を探すそなたを見ると分っていたなら…。もし私がそれを知っていたなら、内侍か女人かなどでもがいたりせず、できるだけ長くそなたを私の傍に置く方法を考えていただろう。そなたをもっと理解できていたらと残念に思う。」
と謝った後、それでは…と去ろうとするラオンの腕を掴むヨン。
「だがそれでも尚、居てくれないか?ここに私の傍に?」
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ミョンウン公主を乗せた肩籠(かたかご)が山寺より帰ってくる。すっきり痩せたミョんウン公主が籠から出てくるが、数歩進んで裾を踏み前につんのめる。
偶然居合わせたチョン若様が手を差し伸べるが、それを振り切り行ってしまうミョンウン公主。
涼しげな顔をした内人、冷たい心の持ち主とみえる、とスッキリ痩せたミョンウン公主が分からず勘違いするチョン若様。
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お茶を飲んみながら話しあうヨンとキム・ホン。
科挙の合格者33名の内キム家門からは7名と言う結果をヨンが告げると、内心苦々しく思いながらも、キム・ホンは無反応だった。
本当に才能と能力のある人物を集める為に、これからも自分の原理を守り賄賂も便宜も受け入れない、とヨンが宣言してもただ頷くだけ。
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ハン尚膳 (チャン・グアン)より任官たちが勤政殿に参上していると聞いた王は、安堵する。
宮殿はキム家門で占められ、私の者は誰もここにはいない。私のような傀儡人形にならない為にも…、世子に忠誠を誓う者を探さなければ、と決意を固める王。
そして、世子の婚姻の準備を始めよ、とハン尚膳に命令した。
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ラオンは、ユンウン翁主に急き立てられて訳も分からず回廊の橋の前につれてこられた。
直ぐにヨンウン翁主は走り去り、橋の上のヨンの前に独り残されるラオン。

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ラオンに気づくと、手を前に伸ばした後胸の前で両手を握り絞めるヨン。それをはっと見つめるラオン。
その手の動きは、ラオンがヨンウン翁主に教えた心を伝える信号(手話)。ヨンはそれをヨンウン翁主から学んだのだ。
ー私はそなたを好きだ。
いや…恋慕っている。
だから頼む…
行かないでくれ…。
私の傍にいてくれ…。
涙に溢れた目で、ヨンの手を見つめるラオン。
そこへ場違いにも「あのっ!それは一体どんな意味でしょう?」とヨンに尋ねるチャン内官(イ・ジョンヒョク)。
私から離れていろということ、と彼を追いやりラオンを振り返るヨン。そして笑みを浮べたラオンを見たヨンは、心が伝わったとわかり安堵した。
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その後、ラオンはチマチョゴリを触りながら母に問いかけた。
ー母さん…、私もう大丈夫でしょ?
過去10年間、母さんなしで上手に世渡りできたんだから…。
自分を守れるくらい大人になったわよね?
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花園に現れるラオン。チマチョゴリを身にまとい化粧を施して…。
愛らしいその姿に、顔をほころばせ近づくヨン。
「女人としてのそなたをどう呼ぼうか?」
「ホン・ラオンです。邸下」
「ホン…ラオン…。ラオナ!!!」
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雲が描いた月明かり~キャスト紹介・視聴率・感想・ざっくり歴史
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