医心伝心 最終回16話 あらすじ 感想 名不虚伝 後半
朝鮮時代のホ・イム( キム・ナムギル )と現代のチェ・ヨンギョン( キム・アジュン )
ホ・イムは、死と痛み叫び声に溢れた戦乱の真っ只中で民の治療に奔走した。
患者が亡くなっても泣くことさえ出来ない戦乱の世で、ホ・イムは度々ヨンギョンを思い浮かべては心の中で話しかけた。
「君の時代の医術があればもっと人を救えるのだろうか?」 と栗でハート型を作ったり、おむすびを食べながら「救うべき人を亡くして泣いていないか?」 と尋ねたりした。
ヨンギョンも毎日医師として全力を尽くし、時に辛くなるとぐったりと床に座り心の中でホ・イムと心の中で話をした。
「高度な医療技術を駆使してもまだ助けられない人が多くいるわ。時に奇跡も起こるけど…。あなたはそちらの世界でどれだけの死に直面しているのかしら…」
そうして二人は遠く離れた場所でお互いの無事を祈った。
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ホ・イムは、戦乱が収まった後も恵民署の医員として精力的に働き、動けない患者がいれば自ら出向いて治療を施した。
そうして彼の名声は徐々に天下に響き渡って行った。
そんなある日死に際のシン兵曹参判( アン・ソクファ )に呼ばれたホ・イムは、全身にガンが広がった彼に痛みを抑える鍼を打ち、過去の軋轢を乗り越えた。
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そうして現代と朝鮮で医師として使命を全うしていたヨンギョンとホ・イムに、其々嬉しい出来事があった。
「患者と手術がなければ医者じゃない!」
そう豪語して精力的に手術と勉強に励んでいたヨンギョンは、念願の博士号を取得した。
オ・ハラ( ノ・チョンウイ )の母は、経済的事情のある心臓病の子ども達の援助のためにオ・ハラ寄金を設立してシンへ病院の小児心臓外科病棟設立に貢献した。
その式典の後ユ・ジェハ ( ユン・ミンギュ ) は、ホームレスのキムの息子の結婚式への招待状をヨンギョンに渡した。
警護の仕事に就き息子と一緒に暮らしているというホームレスキムの知らせをとホームレスの訪問看護をイムから引き継いでしているジェハを、誇らしいと褒めるヨンギョン。
「鍼の腕も上がった所を彼に見せたが、できないのか…」 とジェハはホ・イムの不在を残念がり、ヨンギョンも「もし知ったら喜ぶわね。一緒に結婚式に行けたのにね…」 と遠い目をした。
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一方朝鮮時代のホ・イムも、サヤガ ( 武田裕光 ) と鈴木の訪問を受けて再会を喜んだ。
「兵士と共に朝鮮に残った倭軍の元将軍とはあなたでしたか」
そうホ・イムが言えば、キム・チョンソン (サヤガ) も「戦場で沢山の人を救っている医員と言うのはあなたでしたか…」とお互いが知っていたことを話して笑った。
ヨンギョンのことを訊かれたホ・イムは「居るべき所へ戻った」 と言って目を赤くした。
彼が去った後、地面にハートと鍼を書いてホ・イムがヨンギョンを思い浮かべていると、そこへ突然現れるヨニ ( シン・リナ )。
「それは何?かわいい~。そんなの一度もみたことない!」
と喜ぶヨニに「これはハートと呼ぶんだ。二つ意味があって、一つは心臓、もう一つは誰かを好きな気持だ。お前みたいな女の子が教えてくれた。」 とホ・イムは教えた。
そんな中現れたホ・ジュン( オム・ヒョソブ )は「薬草を見に来たの。私、ホ・イムおじさんの様なりっぱな医員になる」 と言うヨニを抱きしめた。
そして「殿下の耳鳴りが良くならない。鍼治療を受けると言う殿下にお前を推挙しておいた。間違えたかな?」 と尋ねた。
そこれに同意したホ・イムがトン・マッケ ( ムン・ガヨン ) と共に王宮に向かおうとしていた時だった。
「息子を助けてくれ!」 と牛の角に腹を刺された男の子を父親が運んできた。
「ホ・イムは王宮へ向かう所だ。他の医員に頼め。どうせこの子は死ぬだろう」
迎えに来た医官が冷たい言葉を浴びせると、ホ・イムはそれを無視して子供を恵民署に行かせた。
そして怒る医官に「あの子は殿下が守るべき民の一人です。」 と言い残して治療を始めた。
幸い内蔵に損傷はなかったが、ヨンギョンから教わった縫合法で大きく広がった傷を見事に閉じて、ホ・イムは子どもの命を助けた。
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入宮したホ・イムに、王は以前の失敗を上げて信頼できないと言い始めた。
だがホ・ジュン ( オム・ヒョソブ ) は「ホ・イムは、独特の鍼治療で多くの患者を救ったと聞いております。どうか信頼して下さい」 と擁護した。
ホ・イム( キム・ナムギル )は「耳鳴りは患者にしか痛みがわからず、他の人にはわからない辛い病気です。ですから心の泣き声とも呼ばれています」と王に説明したあと鍼治療をした。
治療が終わるやいなや、耳鳴りが消滅したことに驚いた宣祖 ( ソンジョ ) は「さすがミョンブルホジョン( 名不虚伝 )だ」と高笑いした。
こうしてホ・イムは、王命により恵民署( へミンソ )から内科院 ( ネイウォン ) へ異動した。
その後、一度に六品階特進したにも関わらず「戦乱で沢山の民の命を救ったことではなく王様への小さな治療で与えられたのだ」 と苦々しそうに言うホ・イム。
これにホジュンは「重要な報酬は意味なく与えられるものではない」 と戒めた。
その後、ヨンギョンから渡された飴を袖から出して見せるホ・ジュンに「まだそれをお持ちですか?」 と驚くホ・イム。
「これを食べられると思うか?我々がどう生きているかを彼らは知っているだろうが、我々は全く知る術がない。チョンスル兄さんがどうしているかが気になる…」
そう話すホ・ジュンに、ホ・イムも現代のヨンギョンに思いを馳せた。
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その夜、ホ・イムは医学書を渡して来年の試験に備えるようにとトン・マッケに話した。
「このままずっと小間使いでいるつもりか?」と励ますホ・イムに「あの方の世界では、女人も医員になれると聞きました。羨ましいです」 と俯くマッケ。
これに「くだらない事を考える前に一文字でも読みなさい」とイムは諭した。
その時おむすびを持ってきた少年とマッケに向かって書棚が倒れるのを見たホ・イムは、咄嗟に体で庇って二人を救って、再びソウルへ戻った。
再会するホ・イム(キム・ナムギル)とヨンギョン(キム・アジュン)
その日ヨンギョンは、街頭でホームレスへの医療サービスをしていた。
治療をした一人のホームレスを送っていたヨンギョンの前を「あの人誰だ?ここら辺りで時代劇の撮影中か?」 と二人連れが横を通り過ぎていく。
これにふと周りを見回したヨンギョンは、ゆっくり歩いてくるホ・イムを見つけた。
だがいくらも進まない内にヨンギョンの足は動かなくなり、二人は雑踏の中でそのまま見つめ合った。
*
ホ・イム( キム・ナムギル )の腕と手の怪我を見たチェ・ヨンギョン( キム・アジュン )は「痛そうね。どうして怪我したの?」 と涙を流した。
そんなヨンギョンを見つめたまま「誰かに会いに行く途中で自転車で転んだんだ。急ぎすぎて…。会いたかった。遅くなってすまない」 と謝るホ・イムに、黙ったまま目を伏せた。
治療が終わると二人は並んで通りを歩き始め、ホ・イムは、何も言わないヨンギョンを見つめた。
「僕に会いたくなかったのか?」
「しばらくの間いるつもりなの?」
「ハハっ?しばらくだって?一緒に生きるつもりで来たんだ」
「誰があなたと一緒に住むって?」
平然と言い返して、歩き始めるヨンギョンに、心配そうに「もしかして恋人がいるのか?」と尋ねるホ・イム。
「男友達ならたくさんいるわ」
そういたずらっぽく答えたヨンギョンは、困惑しているホ・イムに「いつ又帰るの?」と見上げた。
「言っただろ?君と一緒に生きるために来たって…」
そう言って腕を汲むホ・イムをヨンギョンは疑わしそうに見つめた。
「前も確かそう言ってたわね。一度捨てた男は二度捨てるって聞いたことないの?」 とわざとらしく言うとスタスタと歩き出した。
「捨てたことは一度もない!そうじゃないだろ?あの時はここに住んではいけないと思ってた。どこへ行ける?もう君なしじゃ生きられないというのに…」
とホ・イムはヨンギョンを追いかけて腕を組んだ。
*
エピローグ マッケ ( ムン・ガヨン )と ジェハ ( ユン・ミンギュ )の出会い
命を落とす直前、ソウルへタイムスリップしてしまったマッケは、自身に何が起こったのか分からずビクビクしながらシンへ韓方病院のエレベーターから降りた。
そしてキョロキョロしながら歩き回り、ちょうど鍼治療をしているジェハに出くわした。
「そこじゃないけど…」と治療を覗き込んでつぶやくマッケに、振り向くジェハ。
「だって、鍼灸経験方ではそことはちがう…」と続けるマッケを「経験方…ホ・イム?」とジェハは見つめた。
そして嬉しそうに何度も頷くマッケを見て微笑んだ。
了
最後まで読んでくださってありがとうございました。
前回のお話は⇒医心伝心 名不虚伝あらすじ15話
詳しい放送情報は⇒キャスト 登場人物 視聴率
詳しいあらすじ(セリフ・動画付)全話一覧⇒医心伝心
医心伝心 最終回16話 感想 ( ミョンブルホジョン )
脚本と俳優についての感想
笑いと涙に溢れた朝鮮とソウルのメディカルタイムスリッピドラマ、とうとう終わってしまいました。
時代劇のラブコメという難しいい素材だったはずなのに、ファンタジーの中にリアリティを入れた面白い脚本で、タイムスリップ素材を新鮮なドラマにしてくれました。
二人の実力俳優(キム・ナムギル/キム・アジュン)の完璧なケミが、このドラマを勝利に導いたのでしょう。
身分の壁に阻まれてダークになっていたイムが人間として医者として成長し、ヨンギョンが悲劇と後悔から立ち直って、感動の最終回を迎えました。
二人の変化していく様子がとてもスムーズで、演技とは思えないほどキャラがしっかりと確立されていたと思います。
結末についての感想
最後に使命を全うして帰ってきたホ・イムとヨンギョンが再会してのハッピーエンドで綺麗にまとまっていました。
心の中では感動しながらも、お互いに軽口でやり合う二人が微笑ましく、将来もあんな風にやりあって過ごしていくのかなと想像させる終わり方でした。
おとぼけイムにもう会えないと思うと寂しいですね。
医心伝心のパート2はあるでしょうか?
可愛らしいマッケとジェハの出会いから続けてパート2を作ってくれると嬉しいのですが…。
針筒もイムがまだ持っているので、イムが現代で再会を果たしたマッケがジェハの助けで立派な医者になるパート2とかも面白いのではないでしょうか...。
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